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おすすめ書籍

会員からのお勧めの書籍です。登山に限らずなんでも紹介しています。

挾間会員より 2021.12.2

クリアキカリブー(西日本新聞連載記事、2021年9~11月、50回) 

 大分県日田市出身で冬季デナリ(マッキンリー)の単独登頂、冬季フォレイカー初登頂、冬季ハンター現在挑戦中など、冬季のアラスカを舞台に単独での極限の登山を続ける栗秋正寿さんの登山姿勢や生き様をつづるエッセイ。連載記事がこのほど完結しましたので、関係者の了解を得て筆者が個人的に運営しているサイトで一括公開しました。

​ クリアキカリブー→こちらをクリック

安東会長より 2020.5.6

お講談社現代新書 日本経済入門 野口悠紀雄 2017年3月20日

 「昔より、経済がどうなっているか、勉強しようと思っていました。我々の住む日本の経済は、大丈夫か。 少子高齢化、人口減少で、日本は乗り切れるか。 私は、無子高齢化ですが。昨年の消費税増税、私は、それくらいの増税では、日本は救えないと思っていました。 そこへ、新型コロナウィルスの禍。これを乗り切れるか。これで、日本は潰れなければよいがとも、思っています。

  そう思って、経済には素人の私でも、読める書物はないかと探し、野口さんの本に出合いました。

お奨めします。野口悠紀雄さん、79歳です。

 この本は、新型コロナを、予想していませんでした。野口さんに限らず、誰も、このような新型コロナは、予知していなかった。3年前の本ですが、何が問題かが、わかると思います。安い本です。良かったら、どうぞ。」(安東)

 

安東会長より 2020.5.5

なぜ、いま「登山を自粛」なのか。その先の出口はどこにあるのか――。医師2名を含む、山を生業にする関係者8名の声 緊急提言(ヤマケイオンライン、2020.5.2)

 

~安東会長より~ 2020.3.30

山と渓谷社 「アルパインクライミング教本」(笹倉孝昭著者 2020年4月5日 初版発行)

おすすめします。ぜひ購入を 2000円+税

〜安東会長より〜
  • トムラウシ山遭難事故 調査報告書

『トムラウシ山遭難事故 調査報告書』平成22年3月1日 トムラウシ山遭難事故調査特別委員会

上記の冊子は、日本山岳ガイド協会のHP(ホームページ)から、誰でもダウンロードできます。

〜挾間会員より〜
  • 「翔ぶが如く」10巻 司馬遼太郎 文春文庫 各680-627円

司馬遼太郎の作品はわりと好きで、特に「翔ぶが如く」は愛読書の一つで、延岡の可愛岳から市房山系など九州山地一帯の西南戦争の戦跡を訪ね歩くことを心がけていましたので、今回は一つのいい機会でした。

~安東会長より~
 
中央公論 2016年5月号 930円
 

私は、新聞や雑誌の書評を読み、興味のある書籍を購入しますが、今回、中央公論の5月号の第2特集は『永久保存版 佐藤優が選ぶ知的ビジネスパーソンのための中公新書・文庫113冊』でした。

この113冊をすべて購入すると本体で95622円。すでに読んだ本もあるが、読んでない本もありました。興味ある方は、ぜひどうぞ。

その紹介の中で、一冊、『失敗の本質』戸部良一ほか(762円)。日本軍の惨敗から、学ぶことの重要性を記述していました。佐藤優が、この本を読んで痛感し たのは、「企画立案」と「政策実行」と「評価」をする人が全部一体となっていることの危険であるとし、貴方の属する組織は大丈夫だろうか?と問題提起して いました。

事業所であれ、家庭であれ、同様の問題はあると思う。我々の組織する大分緑山岳会を例に取っても同様。例えば、3月に伯耆大山に行くとして、一部の人による企画立案、政策実行が行われた。4月の定例会では、時間が限られ、評価する時間もなく終わってしまった。

私 は、いくつかのことは、問題で課題が残ったと思うが、参加者すべての共通的でないままの、また留守宅を守った不参加者も実際が判らないままで終わりそうな ことを危惧する。すべての会員が、参加しようが、参加しまいが、一つ一つの山行から得るものは多い。今後、失敗しないために。

113冊の内、自分が読みたい本、自分が必要とする本が得られると思う。

遥かなるアンデス ヒリシャンカ南東壁回想  

 

Jirishanca 1973

吉賀信市       

     

私の古くからの岳友に吉賀という男がいる。 1973 年のペルーアンデス、 1981 年のネパールヒマラヤ・ジャヌー…それぞれの遠征でビッグウォールに挑んだ男だ。彼は、ジャヌー以後は山登りから遠ざかり、もっぱら過去の果敢な登攀を回想する日々を送って現在に至っている。  

     

その彼が今から 14 年前、ペルーアンデスのヒリシャンカ南東壁での初登攀から 29 年を経過した 2002 年のある日、「おい、挾間、俺はこれまで大した文章も書いたことはない。だけど手元にヒリシャンカ南東壁を登攀した時の、膨大なメモと 2000 枚ほどの写真がある。ヒリシャンカ南東壁を初登攀した 1973 年当時、多くの山岳 雑誌に大々的に紹介されはした。だけど結局、まとまった報告書のようなものはないままだ。このまま埋もれさせておくわけにはいかない。そこで俺は、…文章 の苦手な俺が一念発起し、回想記の執筆にとりかかった。だからお前も構成や校正などに力を貸してくれ」と乞われた。  

     

かくしてペルーアンデスのヒリシャンカ南東壁初登攀の記録は、当時私が管理運営していたサイトで 2002 年秋から 2003 年春まで 22 回に渡って連載し、山岳界からはそれなりに反響もあり、反応も寄せられた。既に 43 年を経過した今読んでみても、臨場感が伝わってくるし、アルパインテクニックなどでも大いに参考になるのでは、と思う。そして何よりも尊いのは、当時のペルーのリマから各村 々をキャラバンしながらベースキャンプに至るまでの間、当時の文化、風俗、景観に、貴重なフィルムを惜しげもなく費やした彼の思い入れが滲んでいる点だろう。  

     

惜しむらくは、どんな過酷な状況でも一眼レフを手放さず、執念で写真を撮り続けた“写真家”吉賀信市の 2000 枚に及ぶ写真を、サイト容量不足の関係から、わずかしか載せられなかったことだ。  

     

幸い近年、グーグルで写真など膨大なデータ量でも容易に無料でストックさせてもらえ、容易に閲覧できる時代となった。この機会にとりあえず少しずつではあるが Youtube スライドショーを付け加えることにした。添付した BGM と内容が少々ミスマッチの部分もあるが、音楽センスのない私に免じてお許し願いたい。  

     

私は今、彼・吉賀の渾身の力作「遥かなるアンデス ヒリシャンカ南東壁回想」もう一度読み直している。世の中、登山ブームに乗っかり安っぽい登山本が書店の店頭を賑わしているが、彼の報告文は成書 ( 単行本 ) になってもおかしくなかったのに   …   と最近つくづく思う。 ( 挾間記 )

おすすめ書籍

 

日本登山体系【普及版】

日本登山体系 全10巻(古書)

~安東会長より~

例えば 5剱岳・黒部・立山 単行本 4282円~32400円(現在のプレミア価格)

1981年頃から 1982年にかけて発行された古書。プレミアがついていて、アマゾンで4282円から32400円の売価がついている。この登山体系は全10巻で、日本本土の多くの岩場を紹介している。当時のクライマー、柏瀬祐之、岩崎元郎、小泉弘らにより、調査執筆されたもので、このシリーズがあれば、国内のあちこちに出かける時に、ガイド本として参考になるものであった。この全10巻の内、数冊を持っているが、何冊かは、人に貸して帰ってこないものもある。

例えば、日本登山体系10関西・中国・四国・九州の山は、1982年当時、3900円の定価がついている。

このようなシリーズは、今後は、発刊されることはないだろうと推察していた。このような、国内の岩を、登りこんだクライマーが、今後は、現れないだろう。現れなければ、もちろんこのような本は発刊されない。また、フリークライミング、スポーツクライミングは盛んになるが、アプローチの悪い岩場は、登るクライマーが減る。アルパインクライミングと言われる危険の多い・苦労の多い・いろいろな技術知識を必要とされることにTRYする人の減少、それによる岩場の自然への回帰。自然の岩場になれば、すでに登られたルートでも、初登と同じように、草取りや、新たな支点の構築や、考えられないことが、発生してくる。

でも、この古書が、高値で売り買いされていることは、必要とされている証であった。

今回、この10巻が、初版を元に、『普及版』として発行された。価格は、2000円から3000円程度。私は、必要と思われる3冊を、購入しました。必要な方は、今のうちに購入を薦めます。ルートの再調査や、加筆修正されてはいませんが、今のうちに購入を!!!  

【書評】 剱沢幻視行 山恋いの記 和田城志著 東京新聞発行368P 2014年
 本書の帯封には「冬剱 雪黒部を縦横無尽に駆け巡り、ヒマラヤの高峰群で奮闘! 日本土着の登山とアルピニズムを融合させた最後の”怪物登山家”が語る風雪の峰々への限りない憧れと、数々の闘いの記録」とある。

 この書の著者・和田城志は、北アルプス北部後立山~剱岳とりわけ剱沢大滝周辺を厳冬の時期に、信じられないほどのパワーと根気さをもって数々のパイオニアワークを実践し、ヒマラヤジャイアント峰の縦走やビッグウォールにも繋げていった。そして晩年は活動の原点である”冬剱・雪黒部”へと回帰していった。

 アルピニズムとは、パイオニアワークとは、登山とはいかにあるべきか…実践する・しない、力がある・ない、できる・できないはともかく、本物を志向する個々人にとって正に、和田城志は追い求めて評価できる対象の登山を実践して来た登山家…この人はまさしく本物だ、と思う。
 登山はスポーツとしての要素に加え高度に幅広い精神性を内包する。時にむしろ後者すなわち精神世界をこそ重要と感じることの方が多い。その意味で本書の著者の優れた文章力が読者を惹きつけてやまない。この本はまぎれもなく山岳古典的名著に劣らない現代の名著と言えるだろう。(挾間渉)

この本についてもう少し詳しく知りたい人は

http://www.oct-net.ne.jp/w-hasama/zuiso/turugisawa.html

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